万葉集主要論文所収歌句データベース(試作)


 論文タイトル
一五番「渡津海」歌左往の当否について
 論文サブタイトル

 単著/共著
単著
 論者名
八木孝昌
 ふりがな
やぎたかまさ
 発行年月
1998/7
 発表雑誌名
萬葉
 特集タイトル

 発行所
萬葉学会
 発行番号
166
 掲載頁
6165
 巻番号
1
 対象歌番号
15
 対象歌句番号

 歌作者データ
中大兄
 参考歌番号
13, 14
 キーワード
三山歌,左注,反歌,和する歌,紀,御船,斉明天皇,中大兄,印南国原,大伯の海,熟田津,月,月齢,古天文学,斉藤国治,今夜乃月夜,清明己曽
 論文要旨
紀の斉明紀によってこの歌は斉明7年l月6日に詠まれたと推定される。当日の日の入りと月の出の時刻は、古天文学の推算によれば、それぞれ17時43分と10時14分であって、日没時には月は西の空に渡っている。しかも月齢は5前後で、半月に満たない。このような状況下で、「今夜乃月夜 清明己曽」と歌うことは不可能である。15番は左注が疑問を呈するように反歌ではなく、また「和する歌」でもなく、従って印南国沖で詠まれたものでもない。15番が叙景歌ではなく、航海の無事を祈念する歌であるという指摘はすでに存在するが、この観点と上記の考証とを重ね合わせるとき、15番を8番「熟田津」歌と関連づける視点が可能になる。"